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ノウハウ2026.07.06· 約6

日本製品をフランスで売るとき、関税・TVA・送料はどうなるか

フランスで日本製品を売るとき、価格表の数字だけを見ていると、あとで必ずつまずきます。効いてくるのは「関税」「TVA(付加価値税)」「送料」の3つ。関税は品目で大きく変わり、TVAは基本的に買い手(輸入者)が負担し、送料は少量のときほど重くなります。この記事では、パリの書店やセレクトショップと実際に取引してきた経験をもとに、これから進出を検討する方が最初に押さえるべき3点を整理します。

01OVERVIEWフランス輸出でまず効いてくるのは「関税・TVA・送料」の3つ

商品そのものの魅力や卸価格の交渉は、もちろん大事です。ただ、フランスの店舗との商談が具体的に動き始めると、必ず出てくる質問があります。「関税は誰が払うのか」「送料はどうするのか」「船便でもいいか」。私たちがパリの書店に営業をかけたときも、先方から最初に返ってきた確認事項は、商品への称賛ではなく、この3点でした。

つまり、フランスで売れるかどうかは、商品力だけでなく「売ったあとに、どちらがいくら負担するのか」の設計で決まる部分が大きい、ということです。ここを商談前に握っておかないと、せっかく気に入ってもらえても、最後の最後で話が消えてしまいます。

順番に見ていきます。

02TARIFF関税は、品目によって大きく変わる

まず誤解されやすいのが、「関税は一律でかかる」というイメージです。実際には、関税率は品目(HSコード)によって変わります。さらに日本の場合、日EU・EPA(経済連携協定、2019年発効)によって多くの品目で関税が撤廃されています。たとえば衣類やカシミヤ製品などは、原産地規則を満たせば関税がかからないケースが多くあります。一方で、品目や原産地の条件によっては関税が残るものもあります。

ここが落とし穴になります。商品代と送料まで詰めて、あとは注文書だけ、という段階まで進んだのに、輸入時の関税負担がネックになって、結局その注文が消えてしまう——私たちも、展示会で受注まで届いた話が、関税と価格の兼ね合いで取り消しになる場面を経験しています。

だからこそ、商談に入る前に「自社の商品はフランスでどの品目に分類され、関税率はどれくらいか」をあらかじめ調べておくことが大切です。相手の店にとって、仕入れ値は「卸価格+送料+関税」の合計です。この合計が売価に見合わなければ、どんなに良い商品でも注文にはなりません。関税を「あとで考えること」にせず、価格設計の最初から織り込んでおく。これが1つ目のポイントです。

なお、EUには少額貨物の関税免除ルールがあり、第三国からEU域内へ直送される価値150ユーロ未満の物品は、関税が免除されます(アルコール類・香水・タバコ製品は除く)。ただし注意したいのは、関税が免除されても、輸入時のTVA(付加価値税)は免除されないという点です。「少額だから税金はかからない」と考えていると、受け取り時にTVAが発生して面食らうことになります。

03VATTVA(付加価値税)は誰が負担するのか

TVAは、フランスの付加価値税(日本の消費税にあたるもの、Value Added Tax=VAT)です。大半の工業製品・加工製品に適用される標準税率は20%で、日本の消費税より高めに設定されています。書籍や一部の食品などには、10%・5.5%・2.1%といった軽減税率もあります。日本からフランスへ商品を輸出して現地の店舗に売る場合、このTVAは基本的に買い手=輸入者が負担するのが原則です。

「TVAは誰が払うのか」——これも、私たちがパリの書店から最初に受けた質問のひとつでした。ここを商談の段階で明確にしておかないと、あとで「聞いていなかった」という行き違いが起きます。輸入者が負担するものだと双方が理解した上で価格を握っておけば、受取時のトラブルになりません。

BtoBの取引では、こうした「誰が・何を・いくら負担するか」の曖昧さが、そのまま不信につながります。逆に言えば、こちらから先に「TVAは輸入者側のご負担になります」と伝えておくだけで、「この会社は輸出の実務をわかっている」という信頼になります。細かいことのようで、ここを最初に握れるかどうかが、取引の入口を左右します。

04SHIPPINGフランス販売の送料 — 少量ほど重くなる理由と対策

3つ目は送料です。見落とされがちですが、少量の取引ほど、送料の負担が重くなります。たとえば数点だけの注文だと、送料が商品の卸価格と同じくらいの金額になってしまうこともあります。初めての取引は「まず少量から」となりがちで、まさにこの負担が起きやすい局面です。

対策の軸になるのが、航空便と船便の使い分けです。

  • 航空便:早く届くが、送料は高い。少量だと商品代に対して割高になりやすい
  • 船便:送料は大きく抑えられるが、到着まで時間がかかる(数ヶ月単位になることもある)

実際、パリの書店との取引で、先方から「航空便ではなく船便でもいいか」と尋ねられたことがあります。少しでも送料を抑えたい、という現場の判断です。船便を選べば送料は大きく下がりますが、そのぶん到着まで最大で数ヶ月かかることもあるため、納期の見込みを最初に共有しておく必要があります。

急ぎの商品か、時間に余裕のある商品か。ロットはどれくらいか。この条件次第で、航空便と船便のどちらが正解かは変わります。送料を「固定費」だと思い込まず、便の選び方まで含めて相手と相談する。これが、送料の負担で利益を削られないための現実的な方法です。

05CUSTOMS見落としがちな通関の落とし穴:サンプルは「商品見本」で送る

最後に、実務でよくある小さな、けれど大事な落とし穴を1つ。

商談を進めるなかで、「写真だけではイメージがつかみにくいので、サンプルを送ってほしい」と頼まれることがあります。このサンプルを郵送するとき、送り状の内容品の種別を、必ず「商品見本(サンプル)」として記載してください。ここを「販売品」にしてしまうと、受け取る側に関税が発生してしまうことがあります。

せっかく好意でサンプルを送ったのに、相手に想定外の関税を払わせてしまっては、印象が悪くなります。梱包も、輸送中に傷まないよう二重にするくらいで、ちょうどいい。こうした一つひとつの実務が、遠く離れた相手との信頼を少しずつ積み上げていきます。

06SUMMARYまとめ:コストは「あとで考える」ではなく「最初に設計する」

フランスで日本製品を売るとき、効いてくるのは「関税・TVA・送料」の3つです。

  • 関税:品目によって大きく変わる。価格設計の最初から織り込む
  • TVA:標準税率は20%。基本的に買い手(輸入者)が負担する。商談前に握っておく
  • 送料:少量ほど重い。航空便・船便を使い分けて、負担で利益を削られないようにする
  • サンプルは「商品見本」で送る。「販売品」にすると相手に関税がかかる

どれも、知ってさえいれば防げることばかりです。逆に、知らないまま商談を進めると、いちばん盛り上がった瞬間にコストの話でつまずきます。海外販売でいちばんもったいないのは、商品が悪いのではなく、コスト設計を後回しにして商談を落とすことです。


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FAQ

よくある質問

Q.フランスへ日本製品を売るとき、関税は誰が払いますか?

原則として買い手(輸入者)が負担します。関税率は品目(HSコード)で変わり、日本産品は日EU・EPAにより多くの品目で関税が撤廃されています(原産地規則を満たす場合)。ただし品目や条件によっては関税が残るため、商談前に「どちらがいくら負担するか」を握っておくことが重要です。

Q.フランスのTVA(付加価値税)の税率は何%ですか?

標準税率は20%です。書籍や一部の食品などには10%・5.5%・2.1%の軽減税率が適用されます。日本からフランスの店舗へ輸出する場合、TVAは基本的に買い手(輸入者)が負担します。

Q.少額の取引なら関税やTVAはかからないのですか?

価値150ユーロ未満の物品はEUの関税が免除されます(アルコール・香水・タバコは除く)。ただし、関税が免除されても輸入時のTVAは金額に関わらず課税されます。「少額だから無税」ではない点に注意が必要です。

Q.少量だと送料は高くつきますか?

少量ほど送料の負担は重くなります。数点だけの注文だと、送料が商品の卸価格と同じくらいかかってしまうこともあります。航空便(速いが高い)と船便(安いが数ヶ月かかる)を、納期とロットに応じて使い分けるのが現実的な対策です。

Q.サンプルを送るときの注意点は?

送り状の内容品の種別を必ず「商品見本(サンプル)」として記載してください。「販売品」にすると、受け取る相手に関税が発生してしまうことがあります。梱包は輸送で傷まないよう二重にするのが安心です。

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この記事の内容を、パリ常駐チームが実務として代行します。戦略設計から現地商談・成約フォローまで一気通貫。

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